雨時々グリーンカレー

はるひのなにか

2024年春アニメ第1話クロスレビュー

前回記事【2024年冬アニメ第1話クロスレビュー】はこちら

frawrle.hatenablog.com


 

レビュアー紹介

末茶藻中

最終的に『ぽんのみち』が前季一番いいアニメだったので、今季はいいところ探ししています

日本萌学会

日本の萌えを研究しています

華乃井もほもほ(くらはし)

今期こそ本当にアニメ筋のリハビリをします

うどん仁

友情・努力・勝利

はるひ

今、「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」を視聴しながらこの記事を仕上げています

アニメクロスレビュー

今回のレビュータイトルはレビュアーが希望した4タイトルとランダムに選出された1タイトルの計5作品となります。対象作品は以下の通り。

  • 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます
     第1話 第七王子に転生しました
  • 花野井くんと恋の病
     
    #1 はじめまして
  • ブルーアーカイブ The Animation
     
    #01『アビドス高等学校 廃校対策委員会』
  • HIGHSPEED Étoile
     #01 富士の空の下で
  • ガールズバンドクライ
     第1話 東京ワッショイ

これらの作品の第1話を、それぞれ5名のレビュアーが10点満点でのクロスレビューを行いました。

 

花野井くんと恋の病

家族や友人に恵まれているけど、
恋愛とはちょっぴり縁遠かった高校1年生・日生ほたる

彼女は、ある日、
隣のクラスのイケメン・花野井くんがフラれる現場を見てしまう。
公園でひとりポツンとたたずんでいた花野井くんを見て、
何気なく傘を差しだしたほたる。

その小さな出来事がきっかけで、
後日「僕と付き合ってください」と花野井くんから公開告白されてしまった。

“好き”って何? “恋する”ってどういうこと?
突然の告白に戸惑うほたると、
“好きな子”のためなら、何でもしたい。
注ぐ愛情が無限大な花野井くん。

恋がわからない女子×愛が重すぎる男子の初恋ラブストーリー。

日本萌学会             3

 ごめん恋愛テーマに興味なくてこんな点を…。とりま全体的なノリは恋愛映画とかに近そうな印象。最初は俺とほたるちゃんと花野井くんの三人で「恋愛ってなんやろなあ…」って言ってたけど開始10分くらいで俺以外の二人が「恋愛はいいもの」って前提で動いてるのに気づいて二人に置いて行かれちゃった。俺の担当パートは花野井くんの奇行シーンしかなくて泣いちゃった。もう助けてくださいよ。

華乃井もほもほのファン       5

 全体的に恋愛至上主義史観に基づき描かれているので、私には苦しいところがありますが、アニメのクオリティとしては高水準なのではないでしょうか。花野井くんの性格の異様さが次の展開への期待感を生み出したり、キャラの細かい表情や動きが丁寧に描写されていたりなど、ラブロマンスメインのストーリー以外の部分にも楽しめるところがあってよかったです。ちなみに私は浅海響さんが一番可愛いと思いました。

末茶藻中              7

 花野井くん、危険な男だ……。俺が花野井くんと付き合ったら、花野井くんは俺の好きなアニメ全部見てくれるけど自分の好きなアニメは何も教えてくれなくて俺がキレそう。それはさておき、謎多き惚れやすすぎ男子・花野井くんのインパクトはそこそこあり、恋愛とは程遠い女子・ほたるとの関係がどう進展していくかもなかなか気になるところ。一筋縄ではいかなそうな恋模様を予感させるが、いろんなことが丸く収まればいいですね。

うどん仁              7

 1話のアバンの後ちゃんとOPを流してくれるアニメが本当に大好き。花野井くんが立派にぞわぞわするタイプの不気味さを持ってていい。お前重いとかそういう話じゃねえよ。花野井くんにもほたるちゃんにもいまいち感情移入できないけど、両方が成長する物語ってやっぱり嬉しくて……。ラブコメって感情移入が大事だと思ってるんですけど、割と振り切ってもらえると逆に見やすかったりします。好きめがみたいに。ほたるちゃんが萌え。

華乃井もほもほ           7

 自分の中に自分がいなくて相手の求めているであろう行動しかできない花野井くん。でも真意を捉えることができないからいつも関係がうまくいかない。ほたるちゃんは自分の考えを真っ直ぐ伝える能力があるから、2人が一緒だったらどんなストーリーになっていくのかは楽しみ。それはそうとして花野井くん、「髪は短いほうがシャンプーが楽でいい」って言われて自分の髪をバッサリ行くのは思ったより人の話を聞いてなくてすごい。

総得点 29/50

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます

魔術に大切なものは、“家柄”・“才能”・“努力”……。
魔術を深く愛しながらも、血筋と才能に恵まれずに非業の死を遂げた“凡人”の魔術師。
死の間際に「もっと魔術を極め、学びたかった」と念じた男が転生したのは、
強い魔術の血統を持つサルーム王国の第七王子・ロイドだった。

過去の記憶はそのままに、完璧な血筋と才能を備えながら生まれ変わった彼は、
前世では成しえなかった想いを胸に、
桁外れの魔力で“気ままに魔術を極める”無双ライフをエンジョイする!

ライトノベルを原作とし、マンガアプリ「マガジンポケット」(講談社)で
連載を開始したコミカライズはアプリ内セールスランキング1位を記録し、
シリーズ累計発行部数は300万部を突破!
いま最も注目される“転生異世界ファンタジー”が満を持してアニメ化!

舞台となるのは獣や魔人が巣食う異世界
本作では魔術に通じる者たちが恐れを成すほどの絶大な魔力を持つロイドが、
自身の興味の赴くままに魔術を学び、極めようと成長する姿が描かれていく。
ちょっぴりお気楽だけど、強大な力で圧倒していく魔術バトルの爽快感と迫力が詰まった、
“第七王子”による気ままな転生物語が今はじまる!

くらはし              5

 アバンはあまりない感じの演出で結構期待したんだけど、OP以降は割と普通のアニメだったなーって感じ。ストーリーもそこまで苦痛って訳ではないんだけど、特別ここが面白い!ってポイントもなかったので、まだ見ぬ萌えキャラ待ちってことなのかな。おねショタがあんまり好きじゃないのもあるかも。絵は力入ってていいと思う。

日本萌学会             5

 つかみはかなり凄い。短時間で主人公の人物像と世界観が凝縮されてるうえ、わかりやすい。画作りと演出もかなり出来が良かった。でもって中身なんだけど、本筋に関係ない町中のワンカットのシーンに世界観の作りこみをちゃんとしてないと出力されないなあとは思った。キャラの絵柄も独特だけど好き。アニメ作りの技術とセンスは満点。ただストーリーラインがあんまりハマらないのが惜しい。ぶっちゃけそこの好みが問題。

はるひ               5点 

 生まれた瞬間から美少女回転寿司(あんまり回ってない)でウケた。アクション監督なる役職が置かれている通り、アクションには力が入っており目を引くが、シナリオ的にクライマックスでもないのに強いアクションやられてもあんまり嬉しくないという気持ちがある。あとこのタイプのアニメって主人公にどれだけ好感持てるかが楽しむ上で大事だと思うんだけど、俺にはちょっといまいちハマらなかった。

末茶藻中              8

 わりと新興のスタジオ「つむぎ秋田アニメLab」による作品。流れてくる情報によるとこのアニメ、制作進行不在の体制だとか。他にもアクション監督をわざわざ用意しながらぐりぐり動かしてみるなど、全体的に気概があることを思わせる。事実出来たアニメもポテンシャルを感じさせる出来栄えで、絵も整った可愛さから攻めのデフォルメまで、さらりとこなしてみせる実力派。王子が女の子っぽすぎるのは、評価が分かれるところか。

うどん仁              8

 主人公がホンマモンの肘膝ももエッチショタかもしれん。うわーっ!オッパイデカいメイド出てきた!うわっ!エロエロの(悪魔の実)お風呂シーンだあ!オッパイがイッパイやんか!ロイドくん、俺とエッチしてくれや。主人公がチートめいていても全体的にコメディタッチだと飲み込みやすくていいですね。あとエッチだし。萌えとエッチとコメディの塩梅がかなり良さそうで本当に嬉しいです。すみません、オッパイが好きなので高得点。 

総得点 31/50

HIGHSPEED Étoile

環境問題への配慮、安心と安全をめざした世界は、
少なくとも表面上はその目的を達成していた。
そんななか、突如発表された次世代レース『NEX Race』。
最高時速500kmオーバー。
最新技術による安全性を担保に、世界を舞台としたレースシーンは一変した。
熱狂と興奮。挑戦者の瞳が、見る者の心を震わせる。

そしてここに、ひとりの少女がデビュー戦を迎える。
輪堂凛。
世界がその名を知る時、レースは新たな時代を迎える――。

はるひ               5

 ナビゲートキャラが萌え萌えの萌え萌えレーシングかと思いきや、普通の近未来カーレースシーンが続く。モータースポーツに興味のない層には少し退屈に感じるかも。個人的には妙に納得感のあるスポンサー選びが気になって仕方ない。老舗タカラトミーWIXOSSロゴはアニメの客層を露骨に表しており、オタク企業のモータースポーツといえばグッスマだし、Yostarはこういうプロモーションに割く財力がたんまりあるんだろうな。

うどん仁              5

 やっぱり地面ベタのひっくいひっくい流線型のカラフルな車、かっこいいですねえ。アニメの1話なんだからもっと主人公にフォーカスを当ててほしかったというのが正直なところです。尺のほとんどを使ってレースをしていたのにほとんどが実況解説で、これから物語上で立ちはだかるであろう有力レーサーたちの心情の機微もあまり描写されず、普通にレースを見るだけになっていた気がします。でも速い車のレース、かっこいいですねえ。

くらはし              6点 

 なるほど、タイバニみたいな感じなのね。中盤で急に車から緋弾のアリアのパチンコみたいなギミック*1が出てきてウケちゃった。1話見終わった感想としてはまあそれなりには面白かったんだけど、ブースト発動までがかなり退屈だったので1話の見せ方としては今一つだったかなーと思う。

末茶藻中              6

 『MFゴースト』や『オーバーテイク!』と、にわかに盛り上がっているカーレースアニメの新星。キービジュアルのイメージから「おっ、次は萌え萌えレースか〜」と思いきや、想像以上に硬派にレースを見せる1話で驚いた。というか実のところ、硬派すぎて知識の乏しい状態では掴みきれなかった、というのが正直なところだ。セリフあり予告など嬉しいポイントもあり、今後ドラマが白熱するにつれての加速に期待したいところだ。

日本萌学会             9

 設定厨。近未来SF好き。ピンク髪の萌え女が弱点。この三重苦を背負って生きている以上、大幅加点は避けられない。新時代のエネルギーでモータースポーツやって…って時点で夢があるし、レースのゲーム性も高くて見ごたえがある。富士山の地熱でコース上の積雪を溶かして、みたいな現代の技術の延長にある細部のシーンとか、今自分がいるところから地続きにあるアニメの世界を感じられてワクワクする。あと髪がピンクは神。

総得点 31/50

ブルーアーカイブ The Animation

ここが、私たちの居場所だから

数千を超える学校で形成された巨大な学園都「キヴォトス」
ここでは銃を手にした生徒たちの諍いが、日常的な風景になっている。

その中で、砂に包まれた「アビドス高等学校」は廃校の危機に瀕していた。
状況を脱すべく奮闘する「対策委員会」の5人の生徒が、
「先生」と呼ばれる“大人”と出会い、物語は動き始める。

生徒と青春、学園と銃。彼女たちが目指す未来は――

はるひ               7

 ブルアカ未履修。謎めいた世界観と未来に起こるだろう破滅を予感させる語り、美少女、美少女、美少女。アバンにおいて今後の期待を膨らませるのに必要なものがすべて揃い、なおかつ高品質であり、素晴らしい。しかし本編の展開については少し盛り上がりに欠けるように思える。この原因は主人公である“先生”という存在を掴みかねているからだろう。原作のプレイヤーにあたるキャラの扱いが難しいというソシャゲ原作ものの欠点はこの作品でも克服できていないように見える。

くらは司シェンコ          8

 ブルーアーカイブのことを本当に知らないので置いてけぼりにされるのかと思ったら、言うほどそんなことは無くてちゃんと楽しめた。絵がきれいなのはやっぱり嬉しいし髪の薄いアレが出てこなくて本当に安心した(あの絵を見ると怖くて泣いちゃうので)。ただイマイチ世界観がよく分からなくて、実弾銃っぽいものを撃ってる割にサバゲーのノリだし、至近距離でめちゃくちゃ撃ち込んでるし、どうなってるんだ。

うどん仁(ICECREAMer先生)    8点 

 劇場版の前に公式YouTubeで見ておくプロローグみたいな感じを覚えた。これが1クール見れるんですか?前提としてソシャゲのブルーアーカイブを知っているので贔屓目抜きの評価というのが難しいが、萌えありバトルありで楽しく、浅めのアニメくんとしてはかなり気持ちがいい。世界観の説明としてはやや少ない気もするが、現時点では治安の悪さだけが必要なので充分な気もする。シャーレとかは追々でね。寝間着のシロコがエロいっす。

日本萌学会(坂本金八先生:BFXELEOD) 8点 

 求められた高いハードルを軽く超えてきた印象。好きなゲームがアニメになると嬉しい、というピュアな気持ちを思い出した。今後のクオリティについても不安要素を感じさせない1話。会話形式で構成された原作は、アニメ媒体に変換するうえで相性は悪くなさそうでストーリー周りは問題ない。作画も良く、このノリでキャラクターを動かせれば次話以降の巨大萌えは確実。音楽もいい。加点方式で見ていけば、どこまでも高く飛べる。

末茶藻中              9

 目を引くのがゲームビジュアルを再現しようとする色彩設計への拘り。アニメーションのためキャラデザをアレンジしつつも、しかしふとした瞬間に「確かにこれはゲームで見たブルアカの光景だ……」と感じさせる。ことデザイン面の翻案に関しては満点を出してもいいと思う。日常シーンのディテールが増えているのも嬉しく、初見はともかくファン目線としては楽しめるアニメが期待できそう。放送時間だけはなんとかならなかったか?

総得点 40/50

ガールズバンドクライ

怒りも喜びも哀しさも
全部ぶちこめ!

高校2年、学校を中退して単身東京で大学を目指すことになった主人公。
仲間に裏切られてどうしていいか分からない少女。
両親に捨てられて、大都会で一人バイトで食いつないでいる女の子。

この世界はいつも私たちを裏切るけど。
何一つ思い通りにいかないけど。
でも、私たちは何かを好きでいたいから。
自分の居場所がどこかにあると信じているから。

だから、歌う。

末茶藻中              8

 バンドアニメ群雄割拠前夜、なる雰囲気が漂っている昨今。本作は中でもロックの反骨精神をフィーチャーした作品だろうか。中指ネタは記号的すぎる感はあるが、向こう見ずな若さを描くことへの拘りを感じる。牛丼屋でバイトというのもかなりREALで良い。東京から距離のある少し小汚い川崎の地というロケーションから、どうしてもアイドル的になりがちなバンドアニメシーンに泥臭さをもたらすことに期待しているが、果たして。

はるひ               8

 3D作画という点では特にエフェクトの使い方が効果的にみえる。バンド物が好きというわけではないが、九州からの上京物だと考えると心に来るものがある。知らない街に来た心細さ、東京近辺の異常な猥雑さ、元居たところとの確執、そういう描写をころころと切り替えながらストーリーラインを展開しており見てて飽きない。純粋に面白い。あと手島nari氏のキャラデザが好き。

うどん仁              9点 

 CGがするする動いててきもちよか!下向いた時のほっぺとかヤバかけんね。手描きアニメにも劣らん表情の柔軟さばい。かなりクールなアニメかもしれんね。物語も出会いとワクワクを大切にしてくれて嬉しかったです。主人公のおのぼり丸出し感がちゃんと味を出していたのもよかった。がんばれーって感じで。次も見ようと思えるいい1話でした。てかバンドリ派生コンテンツなの今知りました。迷子見てなかったのでこっち入口にします。

華乃井もほもほ           9

 最近の3Dアニメってここまでできるのかって素直に驚いた。表情が豊かで、輪郭がデフォルメされてるシーンもあってかなりうれしい。3D萌えキャラがおお振りの三橋みたいな顔することってあるんだ。それにミーハーだから聖地があるのもうれしいんだよな。そもそも川崎すきだし。ラ チッタデッラきれいだし。都内は23区ブランドで無駄に家賃高いし。減点は牛丼屋で中指立てるシーンが誰も幸せにならなくて悲しかったからです。 

日本萌学会             10

 CGアニメにしかできない建築物とか乗り物とかの道具の作りこみの細かさみたいな強みと、表情とかをコロコロ変えるCGにはなかったアニメ的な表現をかなりレベルの高いところで両立させててかなりすごい。そのうえこのアニメにしかできない表現を突き詰めていこうとする気概も激アツやね。バンドアニメもやりつくされたなあって勝手に思ってたところに、まだまだ面白いことができるんだと確認できて本当に嬉しい。

総得点 44/50

 

以上、2024年春アニメ5作品のクロスレビューをお届けしました。

 

 ところで、皆さん「狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF」はもう観ましたか?賢狼ホロが萌えすぎてびっくりするのでおすすめです。やっぱり2000年代から続くラノベのヒロインとなると、人外萌えのアーキタイプみたいなところがありカルピスをほぼ原液で味わってる気持ちになる。嬉しい。原作由来の会話劇もさることながら、アニメーションで補強される獣耳と尾の動きの表現も本当に素晴らしくって……。萌へ……。

 

それではではまた、2024年夏アニメのクロスレビューでお会いしましょう。

 

 

*1: